君についた10のウソ

突然ガラッとドアが開いた。



「買ってきたわよ〜って……どうしたの…?」



いろんなものが入っているビニール袋を片手に、おばさんが入ってきた。


この光景に口に手を当てて、ただただ驚いている。



「母さん、なんで教えてくれなかったんだよ」


「……なにが?」


「俺に彼女がいたこと」



風が窓にあたる。


ウソのベールに包まれたこの場に、風が怒りをぶつけている。



「優…彼女……って、沙耶ちゃんのこと……?」



桃菜ちゃんに寄り添う優を見れば、優にとっての彼女がだれなのか分かるだろうに。


おばさんはあたしの名前を口にした。



「は?本木?ちげーよ。こっち」


「し、城崎桃菜ですっ……」


「城崎、さん……」



落胆した声色に、優が首をかしげる。



「なんでそんなに落ち込んでんだ?思い出して良かったんじゃねーの?」


「………そうね…」


「ちっとも良いようには聞こえないんだけど」


「良かったよ?優があたしのこと思い出してくれて」



優に笑いかける桃菜ちゃんは可愛くて天使のよう。


まさか、こんなことになるなんて…