君についた10のウソ

優の性格を考慮して…


なら、選択肢はひとつしかない。



「おばさん、おじさん、穂南さん。あたし、決めました」



先生が去ったあとの廊下。


あたしの決意をみんなに伝える。



「あたしは“友達”として、優のそばにいます」


「沙耶ちゃん…」


「優は優しいから、あたしが優の彼女だなんて言ったら……悩んじゃうと思うんです。なんで忘れたんだって自分を責めると思うんです」


「…本当に、それでいいの?」



穂南さんの問いかけに、本心を叫びたくなる。



本当は友達なんかじゃ嫌だ。


もっと近くで。もっと大切な存在として優のことを支えたい。


だけど、それ以上に優を苦しめるなんてできない。


だから。



「いいんです。後悔は、しません」



あたしはきっぱり言いきった。