君についた10のウソ

「できた!!」


「あれ、意外と早いね」


「優のくせにもう終わったの?」


「はぁ?透のくせに口が達者だな」



ベットの上で伸びをしている優。


解き始めたから約10分。


プリント1枚、問題数にすると50問。


ある程度の語彙力があれば解ける内容だけど、あの優が……?

だって中学レベルの英単語も分かるか分からない優だよ?



「ちょっと見せて」


「ほらよ」



優からプリントを受け取ってさっと目を通す。



「どうだ?すげーだろ」


「…………」


「すごすぎて言葉もでないって?うわっ俺最強じゃん」


「……そうだね。ある意味最強だね。ここまで間違えられるって」



優の才能に呆れてしまう。


まずね、まず。


なんで“世話をする”が“take after”なの?


……全然違うよ。



「…これマジメにやったの?」


「あたり前だろ」


「take afterの意味は?」


「世話をする」



……本気でそう思ってるんだね。


ならまだ許せる、かな……



「…透くんは分かる?」


「え!?……あとで持って行く、とか……?」



優とはうって変わって自信なさげに答える透くん。


解答は優よりひどい。ひどすぎる。