君についた10のウソ

今まで。あの日の事故がおきるまで。


毎日あたしたちがこうやって普通に過ごしていることは当たり前のことだと思ってた。


明日も明後日もいつも変わらずにやってきて。

昨日もおとといもいつも変わらずに残っていて。


人生のなかでとても大事なことをものすごく軽く考えてた。



でも、あの事故のおかげで気づくことができたんだ。


当たり前は当たり前じゃない。


それはただの思い込み。勘違いに過ぎないことだということに。



いつ、どのようにして毎日が終わるかなんてわからない。

この地球の上で生きている何億人もの人も、誰ひとり一歩先の未来、二歩先の未来。


理想はあるかもしれないけど、その理想が現実となる保証はない。


保証のない保証を持っているだけで。


その保証に包まれて、気づくべきことを隠されて。



明日は買い物に行こうとか

一週間後は大会があるとか


このひとつひとつが小さな幸せのカケラ。


そのカケラが集まって大きな幸せになる。



このことに気づけたあたしは運が良かったのかもしれない。


未来のことを考えられるこの一分一秒があることが幸せなんだ。