君についた10のウソ

「ふーん。そうか…」



なんとなく寂しそうな顔をする優に心臓が高鳴る。


少しは近くにいてほしい存在になれたってことでいいんだよね…?



「明後日は来るからね」


「…ちゃんと来いよ。話し相手いないとつまんねーんだよ」



……そういうこと、か…


優は話し相手が欲しいだけで、あたしにそばにいて欲しいわけじゃない。



ちょっとだけ気分が落ち込んだ。



でも、それでも。


話し相手があたしでもいいと認めてくれたと思えば、落ち込んだ気分が上を向く。



“そばにいて欲しいわけじゃない”

じゃなくて

“あたしを話していいと思ってくれている”


ネガティヴよりもポジティブに物事をとらえていけば、これから先が楽しみに満ちる。



「じゃあ、また明後日ね」


「またなんか買ってこいよ。お前とは好みが合うみたいだからな」


「ははっ分かったよ。バイバイ」



進展した関係に心を躍らせて。


その日の夜は久しぶりにぐっすりと朝まで眠ることができた。