君についた10のウソ

「透のことをどう思うか、なんかどうだ?おもしろい答えを期待してる」


「透くんは……えっと、いじられるべき存在だと思うよ」



透くん。ごめん。


でも本当のことだからね?



「いじられるべき存在かー。アイツってホントいじりがいあるよな。いじられるためだけに生まれてきたんじゃね?」


「あははっそれあり得るかも」


「だろ?」


「じゃあ透くんって動物に例えるとなんだと思う?」



透くんネタで盛り上がる。


“楽しい”

今思うのはただそれだけ。



「動物に例えると…犬?っぽくね?」



その言葉に今日のことを思い出して笑ってしまう。



「あたしもそう思う!やっぱり犬っぽいよね……ぷっ」


「お前笑いすぎだろー」


「だって似合いすぎてて…」


「透カワイソー」



優、棒読みだよ。


心がこもってないよ。



「そっちこそ透くんのことすごいバカにしてるよね」


「これは愛情表現だから許される」


「……気持ち悪いよ」


「これはネタだ。ネタ!!」



…なんだ。十分だよ。


逆に十分過ぎるくらい。


こんなに楽しく話せて。


友達、頑張れるかもしれない。


…うん。頑張れるよ。