優の病室の前には、さっきまでいた男子たちはもういなかった。
その場にはなにもなくて。
あたしが売店で買ったものってどうしたんだろう。
優に渡してくれたのかな?
それか持ち帰ってくれた、とか?
「はい」
コンコンとノックをすると中から優の返事が返ってきた。
「お邪魔します」
「……本木?お前一人?」
「うん。一人だけ」
梓と透くんは今日はそれぞれ用事があって来れないって、ここに来る前に言われた。
だから今日はあたしひとり。
「あ、これお前かららしいな」
ヒョイッと優の手で軽く持ち上げられたビニール袋。
中にはさっきあたしが買ったもの。
ちゃんと渡ってたんだ。
良かった…
「そうだよ。好きなものばっかりでしょ?」
「好きなものばっかりってか全部好きなものだけど。ありがとな」
嬉しそうに笑う優を見て、あたしも嬉しくなってくる。
優の笑顔があたしに向けられるのはいつぶりだろうか。
あの日、開いてしまった距離が少し縮まった気がした。
その場にはなにもなくて。
あたしが売店で買ったものってどうしたんだろう。
優に渡してくれたのかな?
それか持ち帰ってくれた、とか?
「はい」
コンコンとノックをすると中から優の返事が返ってきた。
「お邪魔します」
「……本木?お前一人?」
「うん。一人だけ」
梓と透くんは今日はそれぞれ用事があって来れないって、ここに来る前に言われた。
だから今日はあたしひとり。
「あ、これお前かららしいな」
ヒョイッと優の手で軽く持ち上げられたビニール袋。
中にはさっきあたしが買ったもの。
ちゃんと渡ってたんだ。
良かった…
「そうだよ。好きなものばっかりでしょ?」
「好きなものばっかりってか全部好きなものだけど。ありがとな」
嬉しそうに笑う優を見て、あたしも嬉しくなってくる。
優の笑顔があたしに向けられるのはいつぶりだろうか。
あの日、開いてしまった距離が少し縮まった気がした。

