君についた10のウソ

強く…もっと、強くならなきゃ……



みんなに心配させてばっかりで。


いちいち話す内容に気を遣わせて。


めんどくさいよね。



「まったく。透ってホントデリカシーないわね」


「……自覚はあります。ごめんなさい」



いきなり現れた梓。


透くんは梓の言葉にごもっともという感じで縮こまっている。



「…あたしが弱いだけだから。気にしないでいいよ」


「いや、俺が悪い。ほんっとごめん…!」



手を合わせて謝る透くんに申し訳なく思う。


謝られて、どうすればいいのかな…



「えと……」


「いいんだよ沙耶。透が悪いから」


「うんうん…!!」



子犬のようにあたしを見上げて頷いている透くん。


……なんかちょっと可愛い。



「……ふはっ」


「え?今俺笑われた?」


「笑う要素はたくさんあるからそうなんじゃない?」


「……なんかそれヒドいよね?」


「ふっ…ごめん……ふふふ」



透くんの可愛さと子犬感がうまくマッチして笑いが……っ