君についた10のウソ

「本木、優の病院と病室教えてくんね?」



次の日の朝。


教室についた途端、優とけっこう仲の良かった北山遥希くんに聞かれた。


だいたいの男子は優と仲が良かったけど。



「え?あぁ、教えてなかったか……えっと○○病院の302号室だよ」


「さんきゅ。お見舞い行ってもいいよな?」


「うん。みんなが来てくれたほうが喜ぶと思うよ。つまらなそうだったし」


「おっけ。みんな!今日の放課後行くぞ〜!!」



北山くんが声をかけた男子たちは一気に盛り上がる。



「ワサビ入りシュークリームあげようぜ」

「カラシも入れるか」

「クラッカーも持ってこう」



話していることはバカだなって思うけど、優が楽しめるならそれでもいいかな…


みんなお見舞い行くなら今日はゆっくりめに行こう。


あたしがいたらお邪魔だろうし……



「沙耶ちゃん沙耶ちゃん」



名前を呼ばれたほうを見ると透くんがいた。



「なに?透くん」


「これ、石ちゃんが優に渡してくれって」



渡されたプリントをペラペラ見てみる。


……石ちゃんよくやるなぁ…