君についた10のウソ




「優!来たぞ!!」


「あたしも〜」



優の家から病院に移動して透くん、梓の順に病室に入っていく。


怖くて足がすくむけど。


…あたしも行こう。



「おー!透と梓と……本木」



透くんと梓がこちらを振り向く。


…やめてよ。そんな目で見ないでよ。



「優。こんばんは」


「どーも」



笑顔をとり繕って言えば、優は真顔で嬉しくなさそうに返してくる。


少しくらい笑ってよ……



「優、これ。穂南さんから」


「スマホじゃん!」


「はい」



手渡すと早速電源を入れている優。


家族からってことにしないと怪しまれると思って穂南さんの名前を借りた。



「ついた!……って、あれ?」


「……どうかしたか?」



知っているけど知らないふりをして透くんが覗き込む。


驚くのも当然だ。


優のスマホのホーム画面の背景も変えて、写真とメッセージのやりとりもすべて消した。


ただひとつ。


変わっていないのはロックナンバーだけ。