君についた10のウソ

「データとっておくしかないのかな…」


「なにが?あぁ、スマホ…」



昨日のうちにおばさんに許可をもらってあずかっていたスマホ。


優のスマホにも、たくさんの思い出が詰まっている。


消すわけにもいかないし……



「ロックナンバー知ってるの?」


「……1107」


「それって沙耶の誕生日じゃない……あと一週間後?」


「うん……」



スマホを買ったときにお互い設定しあった。


あたしのスマホのロックナンバーは0518。


5月18日。優の誕生日。



「あっ……沙耶、これ…」


「……なにこれ………」



机の中をあさっていた梓に手渡されたものを見ると、表に“Happy Birthday Saya”と書かれていて。



「やめてよ……もう…」



ペラペラめくるとたくさんの写真が貼ってあった。


笑っているあたし。

泣いているあたし。

怒っているあたし。


しまいには寝ているあたしまで。



「……“I love you forever.”」



最後のページに書かれていたのはこの言葉で。


なんて言えばいいのか分からないよ…っ