君についた10のウソ




「……本当にいいの?」


「なんで透はそんなこと言うのよ」


「だって、この写真もあの写真も……二人とも幸せそうな顔してる」


「いいんだよ透くん。それにこれは保管するだけだから捨てるわけじゃないしさ」



帰り道、優のところへ行く前に立ち寄った優の家。



「いっぱいあるなぁ……」



優とあたしの思い出を集めるために来たんだ。


付き合い始めたころの写真。

喧嘩して仲直りしたあとの写真。

中学校の卒業式のときの写真。


どの写真も、笑顔の二人が写っている。



「卒アルもとっておかなきゃ……」



そっと手にとってみんなからの寄せ書きのページを開く。


懐かしい名前とともに書かれているメッセージ。


あたしの名前ももちろんある。



「俺にも見せて!!」


「いいよ。透くんあたしたちの見たことない?」


「うん。なかなかそんな機会なかったしね。……わぁ〜みんなちょっと幼い!」



子どものようにはしゃいでいる透くん。


卒アルも回収するとして……


アレはどうするかな……