「昨日のお昼、優の目が覚めました」
……ここからが本番。
頑張れ、あたし。
「優は意識を取り戻したけど、事故の影響であるものを失いました」
「あるもの……?」
声がしたほうを見ると城崎桃菜ちゃんが強張った顔をしていた。
「優は……あたしを失いました」
「え?……沙耶ちゃん、ちゃんとここにいるじゃん」
「……あたしはここにいるけど、優の中にはいません。……優の記憶から、消えたんです…」
「ウソ……」
桃菜ちゃん。ウソじゃないよ。
ウソだったらどんなに良かったことか……
「優にはあたしが優の彼女であることは言っていません。今の優にとって、あたしはクラスメイトのひとりです」
「言わないの……?」
「……うん。言わないよ」
クラスのあちらこちらからつぶやく声が聞こえる。
「なんでそんな……」
「言わないと大山くんが可哀想だよ」
「……記憶ないって本当なのか?」
みんなそれぞれ思うことがあるだろうけど。
「お願いします。みんなも優に本当のことを言わないでください」
……ここからが本番。
頑張れ、あたし。
「優は意識を取り戻したけど、事故の影響であるものを失いました」
「あるもの……?」
声がしたほうを見ると城崎桃菜ちゃんが強張った顔をしていた。
「優は……あたしを失いました」
「え?……沙耶ちゃん、ちゃんとここにいるじゃん」
「……あたしはここにいるけど、優の中にはいません。……優の記憶から、消えたんです…」
「ウソ……」
桃菜ちゃん。ウソじゃないよ。
ウソだったらどんなに良かったことか……
「優にはあたしが優の彼女であることは言っていません。今の優にとって、あたしはクラスメイトのひとりです」
「言わないの……?」
「……うん。言わないよ」
クラスのあちらこちらからつぶやく声が聞こえる。
「なんでそんな……」
「言わないと大山くんが可哀想だよ」
「……記憶ないって本当なのか?」
みんなそれぞれ思うことがあるだろうけど。
「お願いします。みんなも優に本当のことを言わないでください」

