君についた10のウソ

普段は静かなほうであまり叫んだりしないあたしだけに、透くんは目を見張っている。



「ねぇ透」


「…なに……?」


「沙耶のこと、支えてあげようよ」


「………でも」


「今いちばん辛いのは沙耶だよ。沙耶が決めたことなら受け入れてあげよう。たとえそれが悪いことにつながったとしても」



チラッとこっちを見て笑ってくる梓。



「それに沙耶ってあり得ないほど頑固だし」



最後の言葉は聞かなかったことにするけど……


…梓……ありがとう。


こんなにいい親友に出会えて、本当に良かったよ。



「透?言いたいこと分かるよね?」


「うん……分かった…」


「ありがとう。梓、透くん」



透くんはまだどこか納得できていないような、不安そうな顔をしている。



きっと。きっと大丈夫だから。


本当のことを言うと不安はちょっぴりあるけれど。


でも、ずっと一緒に過ごしてきたあたしたち。


どんな困難にぶち当たろうとも。

どんなに逃げ出したい状況に陥ろうとも。


笑いあえる日がくるから。



絶対に、大丈夫。