君についた10のウソ

でもそんなことをしていると不思議と涙は止まっていて。



「優のこと、好きだなー…」


「……っ当たり前だろ」



照れる優にポッと疑問が浮かぶ。


優はあたしが透くんに好きって言ったことに怒っているけど。



「優は?桃菜ちゃんに好きって言ったの?」


「好きとは言ってない」


「じゃあキスは?」


「……してない」



顔とその間で分かる。


優くん、ウソはついちゃダメだよ?


もうウソはついちゃダメ。


あたしも、他の人も。



「したんだね。キス」



言葉にすると、胸がキリキリと痛む。


優、桃菜ちゃんとキスしちゃったんだ……


ショックだなぁ……



「……何回したの?」


「……記憶にないな」


「…記憶にないほどしたんだ……」



テンションが下がる。


優と桃菜ちゃんが……


その絵を想像してしまって、さらにテンションが下がる。