君についた10のウソ

「まあ、好きでいるのやめようとしてたけど」


「……は?」


「え?な、なに?」


「お前、あとで覚えとけよ」



急に反応したと思ったら不機嫌そうにあたしを睨む優。


あたし、なにかした……?


別になにもしてないよね……?



「透くんのこと、好きになろうと頑張ったんだよ」


「……そういえば、お前、電話で透に好きって言ったよな?」


「表向きはね。だけどあれ、結局優への好きになっちゃったから」


「………でも言ったは言っただろ?」


「うん」



素直にうんと言っただけなのに、優はチッと舌打ちする。


なんかほんとに機嫌が悪いみたい。



「…沙耶、他の男に好きとか言ってんじゃねーよ」


「へっ?」



瞬間、優の顔が近づいてきて。


チュッと可愛くキスをされた。


久しぶりのキス。


愛しい人との、愛しいキス。


自然と顔がほころんでしまう。



「もうこの話やめようぜ。俺がイライラしてしかたない」


「それって嫉妬?ヤキモチ?」


「うっせーバカ!!」



図星なのか顔を真っ赤にして怒る優。


ごめんね。怖くないよ。