君についた10のウソ

〈それは今のお主じゃよ〉


「じ、ジジイ!?」



どこからかジジイの声が聞こえた。


けどどこを見てもジジイの姿は見当たらない。



〈わしは杖の外にいるからのう。天からの声だと思ってくれて構わんぞ〉


「あ、あぁ…」



なんなんだ、ここは。


よく分からねー……



〈問題、出してもよいのか?〉


「ふぅ……オッケー」


〈では問題じゃ。その覆っている手が誰の手か当ててみなされ〉


「は!?知らねーよ、だれだよ」


〈もうあと戻りはできんぞ〉



天の声、いやジジイの声がそう告げる。



「……ヒントねーのか?」



まずこの手が俺の知ってるやつの手なのかよ?


手だけ見ただけで分かるやつとかおかしいだろ。



〈言ったじゃろ。それは今のお主じゃと〉


「……天の声で頭から抜けてたわ」


〈はぁ……あともうひとつ。お主の手はてのひらを向けているほうだ〉



ということは、この、俺の手を覆ってる手を答えればいいのか?


……この問題激ムズじゃねーかよ。