君についた10のウソ

「どうするんじゃ?」


「やってやるよ」


「ほほほ。そうくると思ったわい」



ニッコリと笑うジジイ。


なんか分かんねーけど、その笑顔に暖かみを感じる。



「じゃあ準備はよいな?それっ!!」


「わっ……!!」



ジジイが手に持っていた俺の背丈ほどの杖をドンッと力強くつくと、俺はその杖のなかに吸い込まれた。


なっ、なんだこれ……!?


杖のなかは暗かった。


さっきまでいた場所は眩しいほどに明るかったからか、なにも見えない。



「うおっ!?な、なんだぁ?」



突然現れた光の粒。


それが空中を動き回って様々な色に変化する。


なんだ、これ……?



「誰かの、手……?」



光の粒はユラユラと揺れながら、一枚の絵を描いた。


誰かの手と誰かの手が握り合っている。


いや、握り合うというよりは、上から覆っている手が一方的に握っている。


背景は白。


布団のようなものに見える。