君についた10のウソ

は?記憶の倉庫?


あぁ、そういえば。



「俺って記憶なくしてんだっけ」


「そうじゃ。だからお前にチャンスを与えてやろうと思っての」


「チャンス?なんの?」


「その記憶を取り戻したいのなら、今からある問題をひとつだけだすから、その問題を当てるんじゃよ」


「ひとつ?間違えたら?」


「間違えたらお主はすべての記憶を失う。あっていればなくした記憶を取り戻す。間違えるのが怖いのなら、なくした記憶を取り戻さずに戻るか、じゃ」


「……その問題って簡単なのか?」


「さぁ?お主次第じゃな」



簡単なのかも難しいのかも分からない問題。


一か八かの勝負だ。


間違えるのは怖いけど。


だけど俺は記憶を取り戻したい。


きっとそれは、大切ななにかだと思うから。


絶対に、取り戻したほうがいいものだと思うから。


…怖いだとか、そんなこと思ってらんねーよ。


俺は自分の記憶を取り戻す。