君についた10のウソ

《 優side 》


体がフワフワする。


いつもの体重の何分の一なのだろうか。


そのよく分からない違和感を感じて。


俺は怖がりながらも目を開けた。



「なっ、なんだここ…!!」



鎖に巻かれたハートがたくさん浮かんでいる。


360度、どこを見てもそれがある。


あれ?俺、浮いてね…?


床がないのに立っているなんて、あるわけがない。


ここは無重力空間かなにかなのか。



「やっと目を覚ましたか」


「え?だれジジイ」



白い顎髭

白い髪の毛

シワシワの顔


いやホントに誰だよ。



「神様に向かってジジイとはなぁ」


「アンタ、神様なの?俺、死んだの?」


「違うわい!!お主はまだ生きとる」



じゃあなんで神様がいるんだよ。


あ、夢?これってもしかして夢?



「あー夢かぁ」


「…夢でも間違ってなくはないが、ここはお主の記憶の倉庫じゃよ」