「沙耶ちゃんは、ウソをつくことが正しかったと思ってる?良かったと思ってる?」
あたしの目を見て真剣に問う桃菜ちゃん。
あたしのウソは。
優についたあたしのウソは。
「正しかったと思ってる……」
多少の後ろめたさはあるけど、そう思っていないと崩れてしまう。
あたしの必死のウソが無意味なものに変貌してしまう。
「……沙耶ちゃんは、なにもわかってないんだね」
「え……?」
「沙耶ちゃんのウソで、どれだけの人が傷ついたと思ってるの?どれだけの人に辛い思いをさせたか分かってる?」
「…それは……」
分かってる、つもり。
はっきりと、断言できるわけではないけど、それは分かってるつもり。
「もちろん沙耶ちゃん自身も傷ついてるとは思うよ。だけど、それ以外にも傷ついて、苦しんで……沙耶ちゃんの近くにもいるでしょ?」
気まずくて、目を伏せる。
……いるよ。
あたしが傷つけた人。苦しめた人。
すぐ隣に。
「優だって、当てはまるんだよ?」
「………」
「記憶がなくても記憶があっても優は優。変わらない優を沙耶ちゃんは知らない間に傷つけてる」
あたしの目を見て真剣に問う桃菜ちゃん。
あたしのウソは。
優についたあたしのウソは。
「正しかったと思ってる……」
多少の後ろめたさはあるけど、そう思っていないと崩れてしまう。
あたしの必死のウソが無意味なものに変貌してしまう。
「……沙耶ちゃんは、なにもわかってないんだね」
「え……?」
「沙耶ちゃんのウソで、どれだけの人が傷ついたと思ってるの?どれだけの人に辛い思いをさせたか分かってる?」
「…それは……」
分かってる、つもり。
はっきりと、断言できるわけではないけど、それは分かってるつもり。
「もちろん沙耶ちゃん自身も傷ついてるとは思うよ。だけど、それ以外にも傷ついて、苦しんで……沙耶ちゃんの近くにもいるでしょ?」
気まずくて、目を伏せる。
……いるよ。
あたしが傷つけた人。苦しめた人。
すぐ隣に。
「優だって、当てはまるんだよ?」
「………」
「記憶がなくても記憶があっても優は優。変わらない優を沙耶ちゃんは知らない間に傷つけてる」

