「“制服を着たポニーテールの女の子”。それを聞いたとき今のあたしなら当てはまるって思った。ちょうどその日は学校に用事があって制服も着てたからね」
「だから……」
「うん。あたしは優の彼女になった。ウソでもなんでも、優の彼女になれるならどうでもいいって、そう思ったから」
“恋は盲目”
きっと桃菜ちゃんはそれだ。
優のことしか見えていないあたしもなのかもしれないけど。
「優が沙耶ちゃんのことを忘れる前までは、いつも羨ましいなって思ってたの。笑っている優を見て胸が苦しくなったり、みこちんに泣きついたりもしてた」
美琴ちゃんのほうを見ると切なげに桃菜ちゃんを見ていた。
「きっと他にもそう思ってた人はいると思うよ。このクラスにも、他のクラスにも」
今ここで、静かに話を聞いているなかにも。
廊下の野次馬のなかにも。
あたしの幸せと引き換えに、苦しんでいた人がたくさんいることは分かってた。
恋において、望む位置を手に入れられる人はたった一人だから。
そこに、あたしがいたから。
桃菜ちゃんも、みんなも苦しんでいた。
「だから……」
「うん。あたしは優の彼女になった。ウソでもなんでも、優の彼女になれるならどうでもいいって、そう思ったから」
“恋は盲目”
きっと桃菜ちゃんはそれだ。
優のことしか見えていないあたしもなのかもしれないけど。
「優が沙耶ちゃんのことを忘れる前までは、いつも羨ましいなって思ってたの。笑っている優を見て胸が苦しくなったり、みこちんに泣きついたりもしてた」
美琴ちゃんのほうを見ると切なげに桃菜ちゃんを見ていた。
「きっと他にもそう思ってた人はいると思うよ。このクラスにも、他のクラスにも」
今ここで、静かに話を聞いているなかにも。
廊下の野次馬のなかにも。
あたしの幸せと引き換えに、苦しんでいた人がたくさんいることは分かってた。
恋において、望む位置を手に入れられる人はたった一人だから。
そこに、あたしがいたから。
桃菜ちゃんも、みんなも苦しんでいた。

