君についた10のウソ

「元はと言えば、沙耶ちゃんが悪いんじゃん!!」


「あ、あたし……?」



急に名指しされて困惑してしまう。


あたしのほうを向いた桃菜ちゃんの顔も木戸さん同様般若だった。



「アンタなに言ってんの?本木ちゃんのせいなワケがねーだろ」


「部外者は黙っててよ!!」


「あ?なんだテメー」


「き、木戸さん。大丈夫、だから」



このままだと桃菜ちゃんを余計ヒートアップさせてしまうとビクビクしながら木戸さんを止める。


すると、木戸さんはなにか言おうとしたけどそのまま引き下がってくれた。


そんな木戸さんにあたしもホッとする。



「……桃菜ちゃん。落ち着いてはな………」


「沙耶ちゃんは!!」



落ち着いて話そう、と言おうとしたら、桃菜ちゃんに名前を叫ばれてさえぎられた。


なんと言われるのだろう。


話の流れからして責められることは目に見えてる。


きっと文句を言われる。



「なんでウソをついたの!?」



桃菜ちゃんを見ていたみんなの視線があたしに集中する。



「………優を、苦しめたくなかったから…」



本当に、ただ、優のことを思って。


あたしはあの日、友達になったんだ。