君についた10のウソ

「なんか言えよ」



その言葉に対して述べられたあたしの言葉は、



「…優が悪いんだよ……っ」



優を責める言葉だった。



「は?」


「優が悪い。全部、優のせいだ…!」


「なに言ってんだよ」


「優が記憶をなくさなければ、こんなことにはならなかったのに!!」


「意味わかんねーよ。それより、俺の質問に答えろ」



優の言葉も無視して、あたしの口は動き続ける。


止めかたがわからない。もうどうしようもない。



「あたしにその質問をする前に、自分のことを見てみたら!?優が桃菜ちゃんにしてることはなんなの!?」


「……償い」


「そんな償いなんて必要ないじゃん!!優こそ、苦しめてる!!」



止めたいのに、止めたいのに。


こんなこと言いたくないのに。



「苦しめてるって言ったって、俺にはどうしようもねーんだよ」



苦い顔をする優。



「…償いは、苦しめるものじゃないんだよ……!!」



自分自身にも言い聞かせるように。


そう、叫んだ。