*
「ねぇ、沙耶ちゃん」
「どうかした?」
昼休みの喧騒に似合わない、静かな空気のあたしたち。
友達のような存在、それは変わらなくてもやっぱり距離ができてしまった感じがする。
……自然と距離ができたわけじゃない。
あたしが怖がって距離をつくったんだ。
優とも、透くんとも。
唯一なにも変わらない梓は後ろで机に突っ伏している。
梓は突っ伏していても音だけは聞いているからきっとあたしと透くんの声も聞こえているだろう。
優と桃菜ちゃんはたぶん購買かなんかへ行った。
優から女子を遠ざけた桃菜ちゃんは、今はもうクラスで孤立し始めている。
仲のよかった美琴ちゃんも最近はあまり一緒にいない。
「まだ、優のこと好き?」
されると思っていなかった質問に、ピクリと肩を揺らす。
…好きだよ。好き。
今すぐに抱きしめてキスをしたいくらいに。
だけど言えるわけがない。
もっと透くんを傷つけてしまう。
あたしからは罪悪感しか生まれなくなってしまう。
今のあたしは暗くて果てしない迷路のなかで、ヒントすらもらえずに立ち尽くしている。
「ねぇ、沙耶ちゃん」
「どうかした?」
昼休みの喧騒に似合わない、静かな空気のあたしたち。
友達のような存在、それは変わらなくてもやっぱり距離ができてしまった感じがする。
……自然と距離ができたわけじゃない。
あたしが怖がって距離をつくったんだ。
優とも、透くんとも。
唯一なにも変わらない梓は後ろで机に突っ伏している。
梓は突っ伏していても音だけは聞いているからきっとあたしと透くんの声も聞こえているだろう。
優と桃菜ちゃんはたぶん購買かなんかへ行った。
優から女子を遠ざけた桃菜ちゃんは、今はもうクラスで孤立し始めている。
仲のよかった美琴ちゃんも最近はあまり一緒にいない。
「まだ、優のこと好き?」
されると思っていなかった質問に、ピクリと肩を揺らす。
…好きだよ。好き。
今すぐに抱きしめてキスをしたいくらいに。
だけど言えるわけがない。
もっと透くんを傷つけてしまう。
あたしからは罪悪感しか生まれなくなってしまう。
今のあたしは暗くて果てしない迷路のなかで、ヒントすらもらえずに立ち尽くしている。

