「一ヶ月おめでとうって言っていいのか分からないけどおめでとう」
「…うん」
クリスマスからちょうど一ヶ月後。
あたしと透くんの記念日。
朝から早速梓に祝われた。のかな…?
この一ヶ月間、なにか恋人らしいことをしたのかと聞かれたら答えはNOだ。
名前は変わったけど友達のまま。
それはたぶん透くんも分かっているから。
あたしがまだ優のことを好きなことを。
ましてや、透くんを友達以上にみていなくて、みようともしていないことを。
あたしは自分が最低な人間だとつくづく
思うよ。
「本木、記念日おめっと」
「…ありがとう……」
優にはちゃんとありがとうと言わなければいけない。
たった五文字の“ありがとう”でも息が苦しくなる。
脳が言うのを拒んでいるから。
「沙耶ちゃん、おはよ」
「おはよう透くん」
今だって透くんは、今日は記念日だからどこかに行こうだとか、そういうことは一言も言わない。
ただあいさつを交わすだけ。
「…うん」
クリスマスからちょうど一ヶ月後。
あたしと透くんの記念日。
朝から早速梓に祝われた。のかな…?
この一ヶ月間、なにか恋人らしいことをしたのかと聞かれたら答えはNOだ。
名前は変わったけど友達のまま。
それはたぶん透くんも分かっているから。
あたしがまだ優のことを好きなことを。
ましてや、透くんを友達以上にみていなくて、みようともしていないことを。
あたしは自分が最低な人間だとつくづく
思うよ。
「本木、記念日おめっと」
「…ありがとう……」
優にはちゃんとありがとうと言わなければいけない。
たった五文字の“ありがとう”でも息が苦しくなる。
脳が言うのを拒んでいるから。
「沙耶ちゃん、おはよ」
「おはよう透くん」
今だって透くんは、今日は記念日だからどこかに行こうだとか、そういうことは一言も言わない。
ただあいさつを交わすだけ。

