君についた10のウソ

いったん間を空けた優はこう続ける。



『まあ、好きだと思えない時点で好きじゃないんだろうけどな』



それはあたしにたったの1%でも恋が成就する可能性があるってことでいいんだよね?


都合よく解釈しちゃっても、いいんだよね…?



「だったら…なんで桃菜ちゃんと付き合ってるの?好きじゃないなら、別れることだってできる、よね?」


『……俺のせいかもしれないから』



俺のせいって、なにが?


優は桃菜ちゃんになにかしたの?



『彼女の存在を忘れたことで、好きって気持ちがリセットされた可能性もあるだろ……』


「じゃあ、別れる気は……」


『気持ちはなくても、アイツに振られる以外にその選択肢はない』



きっぱりと言いきった優に、重たい鉛で頭をガツンと殴られたようだった。



『俺が気持ちも忘れて、アイツを振ったらアイツは傷つくだろ。俺にはそんなことできねーよ…』


「そっ、か……」



声が震えて、返事すらちゃんと返せない。


たったの1%の、芽生えた希望が一瞬にして粉々に崩れていった。