君についた10のウソ

「ひよりちゃん、お家はどこ?駅のあっちのほう?こっちのほう?」


「あっちー!!えっとね、ここだよ!!」



駅の反対側とこちら側。


ひよりちゃんは反対側を指差したあとクシャクシャになった小さな紙をポケットから取り出した。



「太陽の里……?」


「うんっ!ひよりのお友達もいっぱいいるの!」


「……そっかぁ。楽しそうだね」



太陽の里は家族を失くした子どもたちの家。


いわゆる……孤児院だ。


だからひよりちゃんの探しているママとパパはきっといない。


この世にいるのかすら、分からない。



「お姉ちゃんがクリスマスプレゼント買ってあげるよ」


「ほんと!?ひより嬉しい!!」


「じゃあ手つなごっか」


「はい!ぎゅーっ!!」



小さな小さなひよりちゃんの手は冷たかった。


マフラーも手袋もしていないから相当寒いはず。



「あったかいもの、あげるからね」


「たのしみ〜!!」



ウキウキしているひよりちゃんの手を離さないようにしっかり握って歩きだす。


生まれて初めてのサンタさんだ。