君についた10のウソ

いつも買いに行くケーキ屋さんは駅にあるから約15分歩かないといけない。


歩いてる途中、車が通ると風がたって寒い。


雨降る前には帰りたいな…


濡れるの嫌だし、早めに歩こう。



「少しでもカロリー消費しないと…!」



気合をいれていつもの倍近くの速さで歩くと9分くらいで駅までたどり着いてしまった。



うわぁ…混んでる……


行きつけのケーキ屋さんを外から覗くとからりの人がいて。


今入ってもケーキすら見れないよね。


数分後にまた来よう、そう考えて駅ビルのほうに足を向けると、小さな女の子が目に入った。


周りをキョロキョロとしているけど、迷子にでもなったのかな…



「…どうしたの?」



ゆっくり近づいてヒザに手をついて話しかける。


あたしの顔を見た女の子は真っ赤な上着を着て、鼻を赤くしていた。



「あのね、ママとパパをさがしてるの!」



やっぱり…


あたしの直感はあっていたみたい。


この子は迷子になっちゃったんだ。