君についた10のウソ

流れた涙は重力に従って、シーツに染みを作る。



“沙耶、サンキューな”

ーーー笑顔


“ホワイトデーにとびっきりいいモン返してやる”

ーーー感謝


“俺からの最大級の愛!!”

ーーー愛情



あの年のバレンタインデーは不安のなかで優にクッキーを渡して。


ホワイトデーには大好きな優からの最大級の愛を受け取った。



優からもらったたくさんの愛が頭のなかで走馬灯のように流れる。



優、優……っ


まだ物足りないよ……


優からの愛が、全然足りないの。



「…うぅぅ……ぅっ……」



嗚咽がもれないように枕に顔をうずめて泣き続ける。


枕がビショビショに濡れてしまうことなんて気にならないほどに。


今は優を思って泣いていたい。



ねぇ優。


優は今、心の底でだれを想っているの?


桃菜ちゃん?あたし?

それとももっと別の人?



いつかまた。


優の愛を心の底から埋め尽くすように感じたい。


だって優が好きだから。大好きだから。


……いつまでも、優を想い続けるよ。