「……なぁ、一個くれよ」
「お昼休みにね」
「お昼休みじゃなくて、今欲しい」
なんとも言えない表情で懇願する優に違和感を抱く。
前は今すぐに、なんて言ってくることはなかった。
記憶をなくすとそういうことまで変わってしまうのだろうか。
おかしいなぁ…
今の今までは記憶喪失が性格まで影響することはなかったんだけど……
「おっはよーっ!」
そのとき、優越しに桃菜ちゃんが教室に入ってくるのが見えて、そのよく通る可愛い声が聞こえてきた。
優と梓と透くんも目を向ける。
途端にあたしたちのところを離れて桃菜ちゃんのところへ行く優。
その光景は、本当に優は桃菜ちゃんのことが好きなんじゃないかと思わせる。
「優、おはようっ」
「おう。今日も元気だなー」
「優が元気の源だよっ!!」
今だって。
あんなに笑顔で、お互い楽しそうに笑ってる。
だけど、桃菜ちゃんは本当にこの頃怖い。
「………っ!」
また今も優に気づかれないように。
優が桃菜ちゃんから目を離したときにニヤリとほくそ笑むような顔をした。
まるで、“優はあたしのもの”。
そういわんばかりに。
「お昼休みにね」
「お昼休みじゃなくて、今欲しい」
なんとも言えない表情で懇願する優に違和感を抱く。
前は今すぐに、なんて言ってくることはなかった。
記憶をなくすとそういうことまで変わってしまうのだろうか。
おかしいなぁ…
今の今までは記憶喪失が性格まで影響することはなかったんだけど……
「おっはよーっ!」
そのとき、優越しに桃菜ちゃんが教室に入ってくるのが見えて、そのよく通る可愛い声が聞こえてきた。
優と梓と透くんも目を向ける。
途端にあたしたちのところを離れて桃菜ちゃんのところへ行く優。
その光景は、本当に優は桃菜ちゃんのことが好きなんじゃないかと思わせる。
「優、おはようっ」
「おう。今日も元気だなー」
「優が元気の源だよっ!!」
今だって。
あんなに笑顔で、お互い楽しそうに笑ってる。
だけど、桃菜ちゃんは本当にこの頃怖い。
「………っ!」
また今も優に気づかれないように。
優が桃菜ちゃんから目を離したときにニヤリとほくそ笑むような顔をした。
まるで、“優はあたしのもの”。
そういわんばかりに。

