君についた10のウソ

「梓、これ!」


「なに?お誕生日おめでとう?……これってあのふたりに?」


「うん!そう」


「ありがとね。尚人も圭人も喜ぶわ」



次の日朝イチで梓にクッキーを渡した。


嬉しそうな梓を見て昨日の疲れもとれてしまう。



「梓はなにあげるの?」


「最近ロボットにハマってるみたいだから昨日買ってきたわよ。ロボロン」



ロボロンは最近話題になっているアニメ。


実はあたしも何度か見ていたりする。



「優しいお姉ちゃんだね」


「年の離れた弟は可愛く見えるものよ」



照れながらもクールに返す梓は、なんだろう。ものすごく可愛い。


尚くんも圭くんも、こんなにいいお姉ちゃんを持てて幸せだろうなぁ。



「ねーねー!!それなに!?」



梓の持っているクッキーを見るなり、勢いよく飛びついてきた透くん。



「クッキーだよ。みんなにはお昼休みにあげるからね」


「ほんと!?ヤッター!」


「透うっせーよ。で、本木。もちろん俺にもくれるんだよな?」


「うん。あげるよ」



前の席に桃菜ちゃんがいないことを確認して優に答える。