君についた10のウソ

なんで……あたしだけなの…?


…神様ってイジワルだね。


ヒドい。ヒドいよ。



「ねぇ、本当にあたしのこと覚えてない…?」



ほんの少しの期待をもって尋ねてみる。


だって、クラスメイトのことは覚えてるんだから。


今までのことは冗談だって。そう言って笑ってくれるんでしょ…?



「だから覚えてないって。てか本木ってさ、本当にただのクラスメイト?」


「え?」


「ただのクラスメイトにしたらおかしいだろ。俺が目を覚ましたときからここにいるなんて。それに今日はまだ火曜日だろ?学校は?」



あたしを暗闇に突き落として、疑問点をいくつも挙げる優になんて返せばいいのか分からない。



…おかしいって言われたって、こんなことになるとは思ってなかったんだから……


無理やり突き通すしかない。



「なに言ってるの!たまたまおばあちゃんが入院しちゃって休んだら優がいただけだから」



おばあちゃん。勝手に入院させてごめんなさい。


だけど、これしか思いつかないの。


優が納得してくれる理由が思いつかないの。