「テメェは肝心なときにこねぇよなぁ…。いっつも俺が結局助けてるんだぜ?役立たずが。」


そう言って私の肩を自分の方へと引き寄せる。


その瞬間賢斗の顔が険しく引きつったのが分かった。


と同時にあらんに向かって勢いよく振り下ろされる賢斗の拳。




「バコッ!!!」



痛々しい音とともに横にいたあらんが倒れた。


「あ、あらん大丈夫?!賢斗!話を聞いてってば!落ち着いて。」


なんて言っても全く話を聞いてないようで倒れたあらんを見下しながら私の手を引っ張って芸術棟へと戻ろうとした時だった。







「え…?」


視界が急に狭くなって意識が朦朧としてそのまま目を閉じた。