「あ…愛理(あいり)」

私の名前を呼びながら震えているのは昔からの幼馴染で親友の千穂(ちほ)。

怖い話が大嫌いで今までお化け屋敷さえ入ったことがないらしい。

千穂だけじゃない。
他のクラスメイトもみんな暗い表情を浮かべている。

「なんだ、この雰囲気。」

ガッとドアを開けて私の後ろから入ってきたのはクラスのボスとも言える存在の木原賢斗(きはら けんと)。