クラスゲーム

そんなことを言いながらもその腹筋が綺麗に割れた姿に緊張してる自分もいた。


「バ、バスケってそんなに腹筋割れるスポーツだっけ?」

「あ?腹筋見てたのか?エロいなお前。」

そう言って苦笑する賢斗。


「知らなかったわけ?こんなに長い間一緒にいたのにさ。」

そう言って私も賢斗も笑う。

普通のカップル。

ごく当たり前な幸せな時間が過ぎていた。




その時だった。




【ガチャリ】


玄関のドアが開く音がしたのは。


「賢…」

名前を呼ぼうとしたらギュッと手を握って頷いてくれた。


震えも少しおさまり、手のぬくもりを感じて少し安心する。


「お母さん、おかえり。」

「おばさん、お邪魔してます。」

下に降りていくとお母さんはニコニコ笑っていた。

「ただいま。いらっしゃい賢斗くん!ごめんね〜、夕飯用意できなくて!」

そう言って申し訳なさそうな顔をするお母さんはいつもと一緒で変わったところはない。


やっぱりどう考えても仮面の女じゃないよね。


「おばさん、小さい頃歌ってくれたあの子守歌、歌ってください。おばさんが考えたやつっす。」

賢斗がそう言うと少し驚くような素振りを見せたけどすぐ歌ってくれた。