そういえば、彼と仲良い男子友達とか聞いたことない気がする。
そしてほんっとにバカなのがたまにキズ。
いや、たまにじゃない。
かなり、深いキズ。
少なくとも私は、彼の本性を知ってる。
彼のことは、もう、ずっと前から知ってる。
「……秋濱冬音(アキハマ トウネ)。やっぱり覚えてないか、唯夏」
彼は覚えてないみたいだけど。
「名前で呼ぶなよ……。初対面、だよね? なんで呼び捨てなのかな?」
ん? と胡散臭い微笑みをこちらに向ける唯夏。
「さっきの彼女は良いの? ……私と付き合うって事で、良いんだよね」

