「……ゆかぁぁーー」


鳴き声が響く。


もう沈みかけた夕日が浮かぶ空に。


響く。


「冬音……!」



ふいに唯夏の声が聞こえて、泣きすぎてついに幻聴まで聞こえるようになったのか、

と思いながら振り向くと――



そこには、走ってきたであろう唯夏が、肩で息をしながら立っていた。