無表情な彼女の秘密




そんな事を考えていると、愛結さんが覚悟を決めたように口を開いた。



「……あの時、一方的に別れを告げてごめんね。

言い訳とかして、許してもらおうとかではないんだけど……。

私、唯夏と別れろって脅されてたの」



「脅されてた!?」


彼女の言葉に驚く。


「そう。高2の男子が、別れないと唯夏を病院送りにする、って言ってきて――」


「なんで!? 俺は大丈夫なのに!」


俺が言うと彼女は首を振った。



「彼は自分の為ならなんでもする名の知れた不良だったの。

私は唯夏を守るしかなかった。唯夏とは――好きなまま別れた。

これをずっと、伝えたかった」



「……」