無表情な彼女の秘密




「唯夏、だよね」


もう1度愛結さんが俺を呼ぶ。


俺はここでやっと、はっ、となる。



やっぱ秋濱さんと重なる、と思った瞬間、

さっきまで動かなかった足が嘘みたいに、すっ、と動いた。



「……愛結さん、久しぶり」


俺はそう言いながらとりあえず愛結さんの少し前まで近付いた。



「……久しぶり。はは、なんかびっくりしちゃった。

だって、こんな背伸びちゃってるんだもん」



やっぱ可愛い、とかクズな事考えてしまって、首の後ろをかいた。