「……唯夏」


声が、響いた。



声はあの時とそんなに変わってない。


透き通った綺麗すぎる声。



でも何故か、


『唯夏』


って呼ばれたせいか、秋濱さんと重なったんだ。



あの頃の思い出が蘇る。


好きすぎて、愛しくて――


そんな感情が今でも溢れてくる。


こんな俺でも、秋濱さんは『好き』って言ってくれるだろうか。