あの時の女子を無視したかのように、私も無視されるのかと思ったが、
「どーせお前もあの3人と同じ考えなんだろ」
と冷たく言った。
唯夏は――昔もそうやってうなだれてたの?
どーせ誰も俺の事見てくれる人いないんだろ、って。
あの時も、そうやって私に言ってきたよね。
――でも、唯夏は覚えてないんだよね。
「……私は唯夏の外見を見てきた訳じゃない。
少なくとも私は、あなたの事を知ってる」
私は嘘っぽく聞こえない様に、唯夏を怒らせないように、
言葉を選びながらゆっくりと言った。
すると唯夏は驚いた様な、意味がわからないという様な顔でこちらを振り向く。
窓から差し込む夕日のせいか、唯夏の顔が少し赤かった。

