「俺は、3人とも好きだった。ちゃんと、好きだった」



「……ハルは何もわかってない! それは私達を苦しめてるだけなんだよ!?

――もう、気付いてよ」



突然隣の梨乃が大声で言った。


その場にいた全員がびっくりしただろう。


彼女は涙をこらえきれなくなったのか、涙を流しながら走って消えてしまった。


「……なんだよ。好き、だったのに」


唯夏はそう呟いて、残った私達の間をすり抜けて、階段の奥へ消えていった――。