「おっはよー! ハル!」
後ろから元気な声で飛びついてきたのは――
「ミソラ……!?」
「たまたま通学中にハル見つけちゃってー……って、あれ?」
ミソラが秋濱さんを見つけて不思議な顔をする。
「えっと……この子は――」
俺は誤解を招かないために、ちゃんと紹介しようとしたんだよ?
したんだけど――
「ふーん……。この子が華那(カナ)が言ってた冬音ちゃんかぁ……。
オーケー、察した! じゃあね! 先学校行くね!」
「え、ちょっ、まっ――」
なんかボソボソとつぶやいて、いつもの小悪魔っぽい笑みで俺に別れを告げた後、
俺らは2人残され、なんとも変な雰囲気に……。
「さっきの彼女さん? 2人とか言ってたもんね」
彼女は無表情を崩さずに言った。
「あのさぁ……俺、君と付き合う気、ないから」