まぁ、俺の事ユカ呼びの時点でファンの子じゃないけど。



「家、そこだし」


と、秋濱さんが俺の家の3軒ぐらい隣の、赤い屋根の家を指さした。


「ち、近い……」


まさか、家近くだからストーカーまでしてたとか!?


この子ならありえる。



「……あの、さ、秋濱さん、付き合うって話なしに――」


「名前、覚えてたんだ」


なんでこう、否定しようとする所で遮るかな。


しかもこの、朝から不機嫌な俺に対して。



秋濱とか、忘れる訳ない。


あの人の、苗字だから。



「うん、まぁ……」


俺がうつむきながら答えていると――