Blue Moon

耳を塞いでいた手の上から手が重なってくるのがわかった


「もう...大丈夫やから。」



「く...ろさき...さん」


口の端を少し切っている黒崎さんはいつものように優しく私に笑いかける



「ごめんな...遅くなって。」


私の頬を指先で撫でる黒崎さん


「そんなこと.....黒崎さんこそ怪我してます」


私はそっと黒崎さんの切れているところを触った



「これくらい平気や。

それより月海ちゃんは何処も怪我してないか?」



「はい、大丈夫です」



そうかと言うと私を抱き寄せて背中を摩ってくれる黒崎さん