月海side

午後の授業も終えて、放課後。

私は真新しい教科書を鞄に詰めながら帰る支度をしていた。


瑞希くんは待っててと言ったきり戻ってこないから私は心配しているんだけど...。


「月海、誰か待ってるの?」


トイレから帰ってきた実が手を拭きながら聞く

「瑞希くんを待ってるんだけど.....遅いんだよね」



「あー...そういえばさっき、佐久間となんか話してたの見たよ。なんか真剣な顔してたから話しかけなかったけど...」


修斗さんと瑞希くんが...

何かあったのかな.......?


ますます不安は募るばかりだった


「大丈夫だって!
きっと直ぐ来るわよ」


そう言って励ましてくれる実の笑顔に少しだけホッとする


「うん、ありがとう!」


「いえいえ。
あっ、もうこんな時間!私、今日バイトなの。

先帰るね、また明日!」



「うん、頑張ってね!」


実はバタバタと走って行ってしまった


相当、急ぎなんだなぁ...