心を決めたわたしは、俯きながらゆっくりと口を開いた。 「あのさ………、中2の夏のこと、覚えてる…?」 もう4年以上も前のことだから、彼が覚えている自信なんてないけれど…。 「覚えてるよ。」 そっと放たれたその言葉に、私は顔を上げ、彼の瞳を見た。 しかし瞳は合わなかった。 彼はどこか遠くを見つめながら、懐かしそうな表情をしていた。