「ちょっと水頂戴」
「あ、いいよ」
前に座る二人を見ていると春が遮るようにトレーに乗ったコップを掴んで一口ゴクリ。
コソコソする二人を無視しているあたり、春は内容に興味ないみたい。
「ありがと」
「ううん」
「ちゃんと仲直りできた?」
「うん、春もありがとう。昴のこと怒ったんだって?」
「あー、まあね」
そっぽを向きながらバツが悪そうに春は言う。
「ふふっ」
その姿が先程の梗と被って思わず笑ってしまった。
「なに笑ってんの?」
「秘密」
「ふーん、まあ春香が楽しそうならそれでいいや」
そう言って春は本を読み始めた。
私もごはんを食べようと前を向くと、いつの間にか話し合いが終わってたらしい二人が仲良く携帯を弄っていた。
「俺そろそろ行くから。また明日よろしく」
携帯を上着のポケットに突っ込み、梗はだるそうに立ち上がる。
「うん、また明日ね」
歩き出した姿に声を掛け、止まった箸を進めた。
周りの会話がよく聞こえる。
黙々と食事をする私の昴の間に会話なんてものはない。
私達のテーブルだけがしんと静かな空間が広がっている。
でも全然いやじゃない。
むしろ、とても心地良い。
会話がなくても、居心地良い空気が漂っていた。
「あ、いいよ」
前に座る二人を見ていると春が遮るようにトレーに乗ったコップを掴んで一口ゴクリ。
コソコソする二人を無視しているあたり、春は内容に興味ないみたい。
「ありがと」
「ううん」
「ちゃんと仲直りできた?」
「うん、春もありがとう。昴のこと怒ったんだって?」
「あー、まあね」
そっぽを向きながらバツが悪そうに春は言う。
「ふふっ」
その姿が先程の梗と被って思わず笑ってしまった。
「なに笑ってんの?」
「秘密」
「ふーん、まあ春香が楽しそうならそれでいいや」
そう言って春は本を読み始めた。
私もごはんを食べようと前を向くと、いつの間にか話し合いが終わってたらしい二人が仲良く携帯を弄っていた。
「俺そろそろ行くから。また明日よろしく」
携帯を上着のポケットに突っ込み、梗はだるそうに立ち上がる。
「うん、また明日ね」
歩き出した姿に声を掛け、止まった箸を進めた。
周りの会話がよく聞こえる。
黙々と食事をする私の昴の間に会話なんてものはない。
私達のテーブルだけがしんと静かな空間が広がっている。
でも全然いやじゃない。
むしろ、とても心地良い。
会話がなくても、居心地良い空気が漂っていた。
