神木の下で会いましょう

「神木、一人で起きられるよな?」

「無理」


The 即答。

あら、先生集まって内緒話なんてズルイですよ。

でも私の勝ちは決まったね。


「ええー、今日だけ神木に変わったことにする……」


ボソボソと喋る近藤先生。


「ということで、ちゃんと神木を起こしに行くように」


言い終わった途端、クスクスと聞こえる笑い声。

先生達は罰が悪そう。


「勝ったね」


小声で春に語り掛けると優しく微笑んでくれた。


「では解散」


ざわざわとあちこち話し声が聞こえ始める。

さて、掃除頑張ろ。


「グループいつもと一緒でいい?」


大掃除はクラス関係なしで四人でグループを組んでやる。

頷く春を確認して四人うち一人を呼びに行く。


「昴、一緒にやろ」

「いいよ」


笑顔で答える昴を鬼畜だと思うまで後5分。


「酒井は?」

「春が呼びに行ったと思う」

酒井恵[さかいめぐみ]、通称めぐちゃん。

春と同じクラスで仲良しな女の子。

ちなみにめぐちゃんは昴が好きみたい。

直接聞いたことはないけど、顔を赤くしたり、昴を見る目が優しかったりするから、きっと恋してるんだよね。